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一般的に古くなった建物や設備や内装を新しくしたり、原状回復すること、またはお化粧直しすることをいいます。
「原状回復」という意味で使われることもあります。
経年劣化、老朽化した建物を新築同様の状態に戻す作業が該当し、クロス・床の張替えなどが代表的です。
具体的には、次のような工事です。
①営繕・修繕工事
・トイレや浴槽の水漏れ、詰まりの解消
・床防水
・割れたガラスの交換
・ドアノブの交換
・鍵の交換
・手すりの取り付け
・シューズクロークの設置
・網戸の修繕
②内装工事
・クロスの張替え
・畳の取り替え
・天井
・床
・襖
・カーテン
③外壁工事
・外壁塗装
・鉄部塗装
・外壁材の張替え
④屋根工事
・雨漏りの修繕
・防水修繕
・雨どいの補修
⑤水回りのリフォーム
・台所:給湯器の交換
・浴室
・洗面所
・トイレ
・水道管・排水管の修理
⑥その他
・バリアフリーリフォーム
・オール電化
・電気・照明
・外構関連の修繕
・エレベーターの改修
・エアコン
〔費用の相場〕
・台所:30~300万円。レンジフード・ガスコンロなどの交換は、10~30万円でリフォームが可能です。食器洗浄機の取り付けは、20万円以下。
・浴室:50~300万円。
ユニットバス入れ替え:50~300万円。
ユニットバスの種類:LIXIL、TOTO、Panasonic、ノーリツ、タカラスタンダード
在来工法:50~数百万円。
浴槽の交換:50~100万円。
【浴槽の素材】
①FRP(繊維強化プラスチック)
色やデザインが豊富で軽量、耐久性に優れ、補修がしやすく、価格も安価なため、現在、主流の浴槽素材です。
デメリットは汚れが目立ちやすいことです。
浴槽に使われるFRPは樹脂素材にガラス繊維を混ぜたものを使用しています。
②人工大理石
人工大理石の主成分はアクリル樹脂やポリエステル樹脂で、色柄などのバリエーションが豊富です。浴槽だけでなく、キッチンや洗面台にも使われています。表面が滑らかで、汚れが付着しにくいです。
長期間使用しても美しさが保たれます。
アクリル系は透明感や光沢があり、衝撃性や耐熱性などに優れています。ポリエステル系はアクリル系より性能などが若干劣り、長く使っていると黄ばみなどが発生しますが、比較的安価です。
③ホーロー
銅板と、鋳物のものがあり、保温性、耐久性、重厚感があり、ガラス質での仕上げとなっているため、肌触りがいいです。
④ステンレス
傷や錆に強く、耐久性、保温性もよく、メンテナンスも楽です。
⑤木製
ヒノキ、ヒバ、槙、サワラなど、独特の温かみや香りが特徴です。
入浴していると、とてもリラックスできるのが木製浴槽の特徴です。
⑥タイル
タイルのパターンを使って、デザインを楽しむこともできます。
浴室暖房乾燥機:7~25万円。
浴室ドア交換:3~10万円。
タイル:要相談
バリアフリー仕様:要相談
・洗面所・脱衣所:20~100万円
・トイレ:3~50万円
配管は、軽くて耐熱性や耐衝撃性があるポリエチレン管が主流になっています。
・リビング:100~150万円
リフォームをする場合の注意点を挙げてみます。
①施工業者の選択
工務店や建設会社であっても、リフォームが必ず得意とは限りません。リフォームを得意とする施工業者を探してください。
②工事の打ち合わせ時
工事前の打ち合わせで完成時の姿をどれだけイメージできるか。発注者側と施工業者側が描くイメージは経験の違いから違うことが多くあります。そのギャップを埋めるためには入念な打ち合わせが必要になります。
完成後又は施工中に、思っていたものと違う、というトラブルは防ぎたいものです。
打ち合わせ時には、既存住宅マンションの図面をできるだけ用意してください。
③容積率や建蔽率をチェックする
増築を伴う場合などは、容積率や建蔽率を超えないようにチェックしてください。
④補助金の対象になる工事であるかの確認
・バリアフリー改修
・太陽光発電
・省エネリフォーム
⑥必ず契約書を交わす
小規模なリフォームであっても、必ず契約書を交わしてください。
契約時に必要な書類
・工事請負契約書
工事総額、支払い方法、工事期間、工事内容等を確認してください。
・工事請負約款
工事や支払い内容の他、損害が発生した場合の負担、瑕疵瑕疵担保補償がある場合にはその期間、工事遅延の違約金、紛争の解決方法などが記載されています。
・見積書
・設計図面
・仕様書
⑥工事中の注意点
日々の片づけや掃除、家具や部屋の養生、留守をする場合のカギの管理等に注意します。
設計事務所や工事業者に任せた以上は、その方々を信頼する。
⑥工事完了簿の注意点
工事完了時に、見積書や打ち合わせ書をもとに、工事個所の確認を業者と行ってください。
現状の建物の良さを生かしながら、大規模な工事を行い、建物の性能を向上させたり、住む人の好みのデザインや間取りに換えることにより、使いやすさを改善したり、「建物に新しい価値を与える」という意味で使われることが多いようです。
空き家を購入し、住む人の好みに合うようにリノベーションをすれば、新築のコストを考えるとお得感が膨らみます。
リノベーションの程度によりますが、多くの事例では間取りが変更され、リノベーション前と後では、生活空間としての部屋の見た目が大きく変わります。
【リノベーションのメリット】
・便利の良い立地から離れなくて済む
・生活する上での機能性が向上する
・買い手が付きやすくなる
・貸家にする場合は、借り手が付きやすい
・入居者の希望に合わすという選択肢もある
・シェアハウスに変更できる
・防音性を高めたり、バリアフリーにするなど、住む人の需要に合わせた計画が進む
【フルリノベーション】
建物の中をすべて変えてしまうフルリノベーションが注目されています。
リフォームやリノベーションの中でも群を抜いて自分好みにできるのが、「フルリノベーションです。
補助金に関しては、国あるいは地方公共団体から交付されるものがあり、対象となる工事や機関も様々です。
住宅の補助金は、住宅を購入するときだけでなく、住んでいる住宅のリフォームに対して適用できるものがあります。
【政府の補助金】
①長期優良化リフォーム補助金
②住宅ストック循環支援事業補助金(国土交通省)
※建築工事の完了日が平成29年12月31日となっています。
※補助金制度には締め切り日がありますので、関心のある方は、まずはご相談ください。
詳細はこちら(国税庁)
リフォームを行うための資金援助を受けた場合の贈与の特例は2つ設けられています。
直系尊属からリフォーム資金の贈与を受けた場合と、相続時精算課税制度です。
■直系尊属からリフォーム資金の贈与を受けた場合
平成33年12月31日までの間に、贈与を受けるものがその年の1月1日において満20歳以上の個人が、リフォームを行うために、直系尊属(両親や祖父母)からその費用を受けていた場合、贈与の一定額までが、非課税対象となります。
消費税8%の物件であれば、1200万円までは贈与税がかかりません。つまり、最大1200万円に110万円の基礎控除額を足した1310万円まで贈与税がかかりません。
この制度は、単独で使うことも、相続時精算課税制度と組み合わせて使うことも可能です。
ただし、リフォームの内容が耐震・バリアフリー・省エネなど特定の工事であることや、リフォーム工事費用が100万円以上かかるなど、条件がいくつかあります。
この特例の適用を受けるためには、贈与年の2月1日から3月15日の間に、この特例の適用を受ける旨の記載のある贈与税申告書を一定の書類を添付して、所轄税務署に確定申告書を提出する必要があります。
税額が0であっても贈与税の申告は必要です。
【受贈者の要件】
受贈者は、以下の要件をすべて満たす必要があります。
①次のいずれかに該当する者であること
・贈与を受けた時に日本国内に住所を有する者であること
・贈与を受けた時に、日本国内に住所を有していないが、日本国籍を有する者で、かつ、受贈者または贈与者が贈与前5年以内に日本国内に住所を有したことがある者であること
・贈与を受けた時に、日本国内に住所も日本国籍も有していないが、贈与者が日本国内に住所を有していること
②直系尊属からの贈与であること
③贈与を受けた年の1月1日において、20歳以上であること
④贈与を受けた年の課税所得が2,000万円以下であること
⑤受贈者は過去に住宅取得資金について贈与税の非課税措置を受けていないこと
⑥贈与年の翌年3月15日までに住宅取得等資金の全額を充てて住宅用の家屋の新築もしくは取得または増改築等をすること
⑦贈与年の翌年3月15日までにその家屋に居住すること。又は、同日後遅滞なくその家屋に居住することが確実であることが見込まれること
⑦所有者と居住者が同一であること
⑧親族などから取得した自宅ではないこと
【増改築等の要件】
特例対象となる増改築等は、特定受贈者が日本国内に所有する自己の居住の用に供する家屋について行われる増改築、大規模修繕等で次の要件を満たすものをいいます。
なお、居住の用に供する家屋が二つ以上ある場合には、贈与を受けたものが主として居住の用に供すると認められる一つの家屋に限ります。
①リフォーム後の登記簿上の床面積が50㎡以上240㎡以下かつ2分の1以上が居住用であること
②中古住宅の場合は以下3つのいずれかを満たすもの
・マンションなど耐火建築物は築25年以内、木造などは築20年以内
・一定の耐震基準を満たすことが建築士等によって証明された住宅
・購入後に耐震改修工事を行い、贈与を受けた年の翌年3月15日までに建築士等によって一定の耐震基準に適合すると証明された住宅
③増改築等の工事対象は自分が所有していて、かつ居住している家屋であること
④一定の工事に該当することにつき「確認済証」の写し、「検査済証」の写し又は「増改築等工事証明書」などの書類により証明されたものであること
⑤増改築等の工事に要した費用が100万円以上であること。居住用部分の工事費が全体の工事の2分の1以上であること
■相続時精算課税制度
相続時精算課税制度とは、平成15年に新設された相続税と贈与税を一体的に考える制度です。
通常の贈与税は暦年贈与で、1年間で個人が受贈した額の合計が、年間110万円を超えた部分に対して贈与税がかかってきます。
相続時精算課税制度とは、60歳以上の父母又は祖父母から、20歳以上の推定相続人である子または孫に対して財産を贈与した場合に、2,500万円の限度額に達するまで何度も控除ができる贈与税の特例のことです。贈与財産の種類、金額、贈与回数、年数に制限はありません。
贈与者ごとに適用ができます。
2,500万円を超えても、一律に20%の課税で済みます。2,500万円を超える贈与の場合、通常の贈与は税率が45~55%ですので、一律20%の税率で贈与できるのは通常の贈与と比べるとかなりの差があります。
メリットもデメリットもある制度ですので、利用するべきかどうかの慎重な判断が必要です。
相続時精算課税を選択した場合、まず贈与時に贈与税を納めます。贈与者の死亡時に、贈与財産を含めて相続税を計算し、相続税と納付済みの贈与税との差額を納税することになります。
この制度を選択する場合には、生前贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日の間に一定の書類を添付した贈与税の申告書を提出する必要があります。
贈与者と受贈者の関係を問わない暦年課税とは違い、相続時精算課税は一定の直系親族間の贈与に認められた特例です。
一度相続時精算課税制度を選択すると、その年分以降すべてこの制度が適用され、「暦年課税」への変更ができないという制限があります。
【メリット】
・生涯2,500万円まで非課税で贈与が可能
・税率が20%
・若い世代が多額の資産を早いうちから運用することができる
・将来価値が値上がりしても相続時に影響を受けない
・収益物件の贈与は、相続税対策になる可能性がある(収益物件の賃貸収入は相続財産とはならない)
・土地など分けにくい財産でも生前に移転ができる
・遺族間での相続争いを未然に防ぐことができる(ただし、特別受益になる)
・贈与税額が精算する相続税額より大きいときは還付される
・住宅の贈与は現金よりも住宅の方が節税になる
住宅取得資金を贈与するよりも、贈与者が住宅を建ててそれを贈与する方が財産評価が下がるため、相続税の節税になります。
【デメリット】
この制度があまり利用されていない理由として、生前贈与自体が一般的でなかった点や、生前贈与を知っていても相続時精算課税制度に関してはあまり知られていなかった点があげられます。
・一定の直系親族間の贈与に限られ、かつ年齢制限がある
・相続時精算課税を選択した後は暦年課税に戻せない
ただし、相続時精算課税制度を利用した人以外からの贈与であれば通常通りの暦年贈与をすることは可能です。
・不動産の贈与の場合、移転コストが高くなる
相続の場合の登録免許税は0.4%ですが、贈与の場合は2.0%となり不動産取得税もかかります。
・相続税の対象になる
この制度は名の通り「相続時に精算し課税する」制度です。
贈与した財産の値上がり分については課税を避けることができても、贈与財産の価値が減ったり、消滅しても、「贈与時の評価額」で相続税が計算されます。したがって、必ずしも節税対策になるとは限りません。
・金額にかかわらず贈与税の申告が必要になる
・相続税の改正があった場合には、改正の内容によっては不利になる可能性がある
・小規模宅地の特例が受けられない
・生前贈与を受けた財産は物納ができない
詳しくはこちら(国税庁)
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